2017年8月31日木曜日

里山ミニ教室8月の報告&9月の告知


小峰ビジターセンターでは、
毎月第1日曜日に「里山ミニ教室」
というイベントを開催しています。

当日申込制で気軽に参加でき、
午前の部はガイドウォーク、午後はクラフトと、
それぞれの体験を通して、
四季折々の自然に触れることができるイベントです。

今回は、8月6日(日)に実施した里山ミニ教室の様子をご紹介します。


ガイドウォーク『夏の早朝昆虫観察会』

早朝の小峰公園内を歩き、昆虫観察を行いました。
「朝歩くと、涼しくて気持ちいい~」と、参加者の声。
これも夏の早朝の魅力でしょうか。



まずは草地の昆虫観察。
草をかき分けると、バッタやキリギリス、コオロギなどが
ピョンピョン飛び跳ねます。


バッタやトンボなどの昆虫を大きなケースに入れて、
みんなで観察しました。


次に、道端にあったセミの抜け殻を集めました。
アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミと、
3種類の抜け殻が観察できました。




そして、最後は雑木林の昆虫観察です。
あらかじめ設置しておいたしかけを、
みんなで見に行きました。

しかけの中にムカデがいて驚いてしまいましたが、
カブトムシなどを観察することができました。



昆虫とのふれあいを楽しみ、参加者にとって
素敵な夏休みの思い出になったのではないでしょうか。

※小峰公園内では、動植物の採集をご遠慮いただいております。
また、わなやしかけの設置もご遠慮いただいております。
ご理解ご協力をお願いいたします。


クラフト『絞り染めでつくる 藍のオリジナルハンカチ』

「頼む!天気よ持ってくれ~!」

どんよりとした雲が空を覆い、
今にも雨が降ってきそうな天気でしたが、
園内の休憩舎でクラフトを行いました。

今回は藍の乾燥葉を使って染料をつくります。
まずは、乾燥葉をネットに入れ、鍋で煮だします。

薬品を使って煮出す作業を3回行う間に、布に絞りをつくります。


見本を参考にイメージを膨らませます。

 
棒絞り、根巻絞り、よろけ絞り、など
思い思いに柄をつくります。
 
煮出した染料の表面を覆う膜は濃い藍色をしていますが、
空気に触れる前は黄色に近い色合いです。
「濃い青かと思ったら黄色いんだね!」と参加者の声。
 
煮出した藍の染料に布を浸し、空気に触れさせると、
みるみるうちに、黄色から鮮やかな藍色に変色します。
 
参加者の皆さんはそれを見て、「うわぁ、一瞬で変わった!」「面白い!」
と、変化の様子を楽しんでいました。
 
最後は、作品を陰干しして、
オリジナルハンカチの出来上がりです!
 
 

次回の里山ミニ教室は9月3日(日)開催です。

ガイドウォーク『バッタとあそぼう!バッタリンピック』


クラフト『シュロの葉でつくる 秋の昆虫』



 詳細は以下のURLをご覧ください。


http://komine-park.sakura.ne.jp/mini_class.html

来月も、皆様のご参加をお待ちしております。

(梅垣レンジャー)



2017年8月30日水曜日

足元に目を向けて


里山尾根の端は、
小峰公園で最も高い場所。

そこから桜尾根へ続く階段で、
こんな生きものを見つけました。


林の中でよく目立つ、真っ赤なキノコ。
動きは少ないですが、これも立派な生きものです。

何もないところから生えてきたように思えますが、
じつはずっと地面の下で、束ねた糸のような姿の「菌糸」として
生活していました。



キノコの柄が、袋状の白い膜(これを「つぼ」と呼びます)を
突き破って伸びています。
まるで、卵からキノコが生まれたように見えますね。

そのような理由から、
このキノコは「タマゴタケ」と呼ばれています。


 
地面の下の「菌糸」は周囲の樹木の根を覆い、
樹木が光合成をしてつくった炭水化物を吸収します。

ですが、菌糸は一方的に栄養分を受け取るだけではなく
水分や栄養分を吸収し、樹木の根に渡す…
といった役割も担っています。

これは、お互いに利益を与えあう「ギブ&テイク」
と例えることができるでしょう。

このような関係性を「共生」といいます。

 
このキノコが大きく成長できたのも、
菌糸と樹木の共生があってこそですね。

なにより、人通りがある階段でも
踏まれずにここまで大きく成長できたなんて…

この階段を行き来する人々の、
足元の小さな生きものに対する
思いやりを感じました。


(宮嶋レンジャー)

※今回使用した写真は2017年8月20日に撮影されたものです。
現在の状況とは異なる場合がございます。